3.二世帯リノベーション(2)二世帯住宅のタイプ

二世帯住宅にすることが決まったら、どのようなタイプにするか選択しましょう。

①独立二世帯

 すべてが各世帯専用にあり、両世帯のスペースが完全に独立しているのが独立二世帯です。自分の世帯の中ですべての日常生活が可能なので、気兼ねなく生活することができます。内部で行き来できるようにするかたちと外部で行き来できるかたちがありますので、リノベーション費用も比較し、双方で相談しながら決めましょう。

②共用二世帯

 食事は別々のキッチンでつくり、お風呂や玄関などどこか一部を共用するかたちです。例えば、浴室を共用する場合は同居世帯全員で使うことになりますのでストレスに感じることもあるかもしれません。逆に「分ける必要はない」といったご要望もありますので、もし分ける必要がなければリノベーション費用を抑えることができます。

③一体型二世帯

 もし「キッチン含め、すべて一緒でかまわない」ということなら昔ながらの大家族が一緒に暮らすかたちが一体型二世帯です。この場合でも子世帯のゾーン、親世帯のゾーンを階で分けるなど、世帯別のゾーニングを取り入れれば快適な生活が実現できます。

2.耐震リノベーション (2)耐用年数

木造住宅の耐用年数は一概に何年と決められるものではありません。エリア、施工状態、維持管理の状況によっても大きく変わります。しかしながら、なぜか、住宅を新築してから30年経過すると、「建て直さなければ」と思っている方が多いのが現状です。耐震診断や耐震化リノベーションがなかなか普及・浸透しない一因でもあります。耐震診断が大きく改正された1981年から既に30年以上が経過し、これ以前に建てられた耐震性能が低い住宅に対して、「そもそも住宅の耐用年数は30年」と思い込んでいる人がわざわざコストをかけてまで耐震補強に取り組むはずもありません。  例えば、耐震診断により、1階床周辺に劣化があると判明した場合、劣化を意識した耐震化リノベーション、耐震改修を施せば、木造住宅を安全かつ長く使用することが可能になります。木造住宅の耐用年数は居住者が自分たちの生活設計の中で決めていけばよいのです。そして、私たちのような建築のプロが適切な耐震化を提案する役割を担っているのです。  私たちは、現状の強度とリノベーション後の強度を数値化して、提示しています(上部構造評点の提示)。建て替えるより、リノベーションで賢い住まいづくりをするために、まずは耐震診断をしていただくことをおすすめします。

2.耐震リノベーション (1)木造住宅の耐震設計の変遷

日本における建築の法律は、1919年の市街地建築物法が始まりです。市街地建築物法がスタートした4年後に関東大震災が発生しました。死者、行方不明者は10万人を超えて、この大震災をきっかけに1924年に法改正が実施されました。この法改正では住宅に筋交いを入れるよう規定されました。しかし、この時の法律では数量までは規定されませんでした。1950年には建築基準法が制定されて、壁の強さの基準が示されました。1971年には十勝沖地震が発生し、その地震をきっかけに、木造建物の基礎もコンクリート布基礎にすることが決定し、1974年にはツーバイフォー工法について告示されました。さらに1981年、この建築基準法が大幅に改正されて、必要壁倍率が改正、壁量計算も義務化されました。以後に建てられた木造住宅の耐震性能は大きく向上しました。

 ここまでの説明でおわかりのように、1981年より前に立てられた住宅が要注意です。この時代は設計者や施工業者の技術、知識、モラルに依存して建設されているため、接合部はじめ、構造に大きな問題が残っていると考えられます。当社では、これらの築古物件にお住まいの方で地震が心配というご相談に対して、耐震化リノベーションを強くお勧めしています。また、建物の強度を診断する耐震診断も受け付けていますので、お気軽にご相談ください

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